配牌からの構想#3
今回も「麻雀の匠」木原浩一#5の内容に沿ってお送りします。
ネタバレの内容になるため、ネタバレしたくない方は最初に動画をご覧ください。
https://youtu.be/zXeraV_eEXU
↑動画はこちら
東2局に下家リーチに8000放銃した上家が前局、ツモって表3裏3の16000点のアガリを決めました。
6677788m2224577s 3sリーチツモ ドラ2s 裏ドラ2s
リーチ・ツモ・タンヤオ・イーぺーコー・ドラ3・裏ドラ3の倍満
その直後、南1局西家、ドラ東の配牌は
2378m2r57p46s東西北中 ドラ東
この手から想像できる手役はピンフで23m、78mターツがあるため1mや9mを引くこともあり、タンヤオは不確定ですが23m、78m、r57p、46sで4ブロック、残りの部分で頭(雀頭)を作れば枚数的に足りる計算になります。
タンヤオにならない=鳴くことはできない、門前(メンゼン)の手だということです。
門前で進める=鳴きの相手にスピードで遅れる可能性があるということです。
門前で手組みするということは、何か役をつけないとアガれないわけで、リーチするか他の手役を作ることになります。
その役の一番手がピンフになります。
ドラが東なのでどれか一色の牌の数が多ければ鳴いてホンイツ・ドラ2やホンイツ・一気通貫・ドラ2、ホンイツ・役牌・ドラ2などを狙う手はありますが、どの色も枚数が少なく、一色手(混一色・清一色)にはならなそうです。
たとえばここにマンズをたくさん引いてくれば
2345678m東東西西北白 ドラ東
ここから鳴いて
456m東東西西 西ロン 123mチー 978mチー ドラ東 ホンイツ・一気通貫・ドラ2の満貫
では木原プロの手順に戻ります。
一巡目ツモ3p 打中
二巡目ツモ中 ツモ切り
三巡目ツモ5s 打北
とここで上家が南をポンして捨て牌が6p 5m 6sと手出しで切られています。
この三巡の捨て牌で狙いがわかるようなら、初心者の域は脱出していると考えていいでしょう。
この捨て牌で最初に浮かぶのはチャンタ(南ポンがなければ純チャンも)、そしてトイトイ(門前ならチートイツも)の二つです。
真ん中の牌(456)が不要なのは123や789の牌が必要なチャンタ、あとは重なりやすさ(他家が持っているであろう真ん中を避ける=重なりやすい)でトイツ系の手ではないか?と考えることができます。
この二つのどちらかなのかは、今後の相手の捨て牌を見て判断します。
トイトイのみでは安いから役牌やドラ・赤と合わせられやすいと以前言いましたね。(トイトイのみは子2600など安いから)
では続きから。
四巡目ツモ3p 打東
ここでちょっと問題の一打が出ました。
ツモ3pでドラの東を切ったわけですが、このドラを切るのは少し早く感じます。
このドラはオタ風(役牌にならない)ですが、このドラはまだ手の中で使えます。
オタ風なので重なればピンフの頭としてまだ使えます。
仮にピンフにならなくてもドラを重ねてリーチなら5200以上が確定します。
おそらくポンされたくないから、ロン牌になったら最悪だからの心理が働いたのだと思いますがポンされたくないならずっと切らなければ鳴かれないですし、ロン牌になるなら切らなければロンと言われることもありません。
少しでも高い手を狙うのであれば、このドラの重なりは無視できないものになります。
タンヤオにもなりにくい、ピンフもつきにくい、三色同順にもならないのであれば、このドラを使わずに高い手になりようがありません。(あとは一発・ツモ・裏ドラ頼りになってしまうから)
以前、ドラについて語った回がありますが、その中でもオタ風のドラの扱いについて述べました。(
)
34567m456p2345s西 ドラ西
こんな手牌であれば、2-5sを引けばリーチでメンタンピンの2-5-8m待ちですが、西を引けばタンヤオは消えるもののドラで2飜増えてリーチ・ピンフ・ドラ2の満貫確定のリーチをかけられてむしろプラスになります。
上の例のように、タンピンの手にオタ風のドラは必ずしも邪魔になる存在だとは限りません。
タンピンの手でもオタ風のドラは必ずしも邪魔になるわけではない、と。
頭がドラになるだけで二飜アップが確定するのに、その選択肢を捨てる理由がありません。
ピンフがついてドラが重なればリーチ・ピンフ・ドラ2の満貫。
ピンフにならなくてもリーチ・ドラ2で子5200点以上の手になります。
木原プロの手順に戻ります。
五巡目ツモ白 ツモ切り
六巡目ツモ4p 打白
七巡目ツモ7pでこの形
2378m2334r577p456s ドラ東
場に6mが1枚、1pが2枚切られていて、1-4mと9m、4pは0枚。(4pは自分の手に1枚使用)
1pの2枚切れを見て木原プロは3p切り。
この3p切りも少しひっかかります。
上家が2pを、下家が1pを2枚切っており、待ちにするなら23pを残して1-4pが優秀に見えます。
残りのマンズ23mと78mのどちらを残すか?ですが7巡目の時点で対面が6mを1枚切っているだけでヒントが少なく見えます。
マンズ・ピンズ・ソーズの三色のうち、一番、場に高い(切られていない)のがマンズで、他家にマンズの使われている枚数が一番多く見えます。
マンズの下(1、2、3)は自分が使っている分だけ(2m1枚、3m1枚)しか見えず、マンズの上(7、8、9)も同様(7m1枚、8m1枚)。
ここで23mと78mのマンズはほぼ同条件(6m1枚の差だけ)ですが、今一度手牌を見直してみましょう。
2378m2334r577p456s ドラ東
ここに4mを引いてさらに5mを引けば345m、456sに3sを引けば6sと入れ替えて345sとなり、345の三色同順の可能性がわずかにあります。
ここは345の三色の可能性も追いながら78mターツ切りにする選択が良いと判断します。(上家と下家が不要な1-4p待ちにしたいから)
では続きから。
八巡目ツモ1s ツモ切り
九巡目ツモ4m 打2pリーチ
こんなリーチになりました。
23478m34r577p456s ドラ東
十二巡目、対面(トイメン)の親から6p切りの追っかけリーチが入り、ここで嫌な予感がしました。
木原さんが十四巡目にツモ切った4pに対面からロン!の声。
親の手牌は
333r567m56p34r577s 4pロン ドラ東 裏ドラ4s
リーチ・タンヤオ・赤2・裏ドラ1の12000点放銃となってしまいました。
ちなみに上家の手牌は
577899m88p88s 南南南ポン
下家の手牌は
4567p23467799s東
とこんな形で上家はトイトイ狙い、下家はソーズ中心の手組みでした。
今回のまとめ
・捨て牌で4、5、6からの切り出しはチャンタ系(チャンタ・純チャン)かトイツ系(チートイツ・トイトイ)
・序盤の捨て牌から他家の持っていない牌が見えることもある(そこを待ちにすると強い待ちになる、相手から出るかも)
・少し遠くても三色同順などの可能性を切り捨てない(時と場合による)